『悪人』

こんにちは☆<<

久しぶりに、レビューです。
宜しければお付き合い下さい。



実は、読み終わって
結構経つのですが…
あれこれと考えたり、
思い返したりして、
余韻が続いており、
なかなかレビュー出来ずに居ました。



『悪人』
著:吉田修一


小説には珍しく公式HPがありました!

吉田修一『悪人』公式サイト




※ココからはネタバレの可能性あり。ご注意ください。



■ストーリー
保険外交員の女性(石橋佳乃)を殺害してしまった1人の男(清水祐一)。彼は再び別の女性(馬込光代)を連れ、逃避行に及ぶ。なぜ、事件は起きたのか?事件当初、捜査線上に浮かび上がったのは、地元の裕福な大学生(増尾圭吾)だったが、拘束された増尾の供述と、新たな目撃者の証言から、容疑の焦点は祐一へと絞られる。この事件をめぐって、加害者と被害者、そして、残された彼ら家族たちの揺れ動く日常が国名に描かれていく。彼の凶行は、何によるものなのか?その背景にひそむ、母と子の出来事。関係者たちの心情によって織りなされる群像劇は、やがて二人の純愛劇へと昇華していく。なぜ、光代は祐一と共に逃げるのか?二人は互いの姿に何を見たのか?そして、悪人とは誰なのか?



だいぶ前に、映画化されて話題になりましたよね。
金髪の妻夫木くんが印象的です。


映画『悪人』より



また、海外含め、数々の賞を受賞。
前から、かなり気になっておりました。


映画『悪人』HPはコチラ



実は、地上波で放送されていたのを、
迷わず録画していたのですが、
原作を読んでから!
と思って、まだ見て居ません。
小説の映画化、と聞くと、
まずは原作読まなくちゃ!
となってしまうのです…



さて、作品の感想ですが、
以前読んで衝撃を受けた、
『疾走』と似た様な感覚を覚えました。

そのリアリズム緻密な構成人物描写
どれをとっても、秀逸!の一言でした。

九州の、実際の地方や道路を舞台に、
その街や生活のどんよりした雰囲気、
登場人物からにじみ出る、幸薄いオーラ…
これ、実在の人物や、実際に起こった事件のルポじゃないですよね!?
と思ってしまう程、リアルに感じられました。



そして、
清水祐一の項目を読む度に、
ブッキーの影がチラついて離れない!


ブッキー


この感じですよ!
それにしても、彼も役者として、かなり幅が出ましたよね~
爽やかボーイだと思っていたら、
こんな役や、のびた君まで…
しかも、まだ少年ぽさ残る感じ、貴重です。


私は、
幼少期含め、かなり人間関係や環境に
恵まれて育って来たので、(有り難い話しです)
登場人物の皆さんの荒んだ心境は、
実感を持って理解は出来ません。
が、これだけリアルに感じられるのは、
やはり深い洞察力と描写力に尽きると思いました。

祐一の
「被害者は1人で良い」
という言葉が残っています。
そして、彼の孤独感も。
きっと、ずっと誰かと繋がりたかったんだろうに、
最後まで孤独から抜け出せなかった彼。
虚しさだけが残ってしまいます…


あらすじにもありますが、
「悪人とは誰なのか?」
読み終えてから、ずーーーっと考えていたんです。
悪の連鎖、
と言うか、
運命の歯車が狂った
と言うのか…

誰も悪くない
訳でも無いし
殺人犯だけが悪い
訳でも無い。
でも、何があっても人を殺めてはいけない…
考えても考えても、すっきりしません。


でも、
また一つ、
素晴らしい作品に出会えた!
と思えました。
これで、心置きなく録画した映画版を見れます!
楽しみだな~~




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